IvanAnywhere は、カナダ オンタリオ州ウォータールーにあるiAnywhereの開発センター (現 SAP Labs Canada Waterloo ) から遠く2,000km離れたノバスコシア州ハモンズプレインの自宅で働くiAnywhereのエンジニア開発者、Ivan Bowmanのために特別につくられたものです。
IvanAnywhere誕生以前は、e-mailやインスタントメッセージ、電話、Webカメラなどで同僚とコミュニケーションをとっていましたが、所属チームと仕事する上ではこれらの方法でも十分なものの、他のグループと相互にコミュニケーションをとるには不十分だと感じていました。
その方法で仕事を5年間続けた後、彼と上司のGlenn Paulleyは、やはりその他のSQL Anywhere サーバエンジニアチームとのコミュニケーション向上のために何かよい方法を探そうと、いくつものアイディアを出し合い検討しましたが、なかなかいい案はでませんでした。
あるとき、Bowmanの同僚のIan McHardyが、ラジコンヘリコプターを飛ばしている時に、Paullyが閃き、ラジコンの小型飛行船にビデオをつけて飛ばしたらどうだろう、と冗談で言ったところ、それは面白そうだということになり、McHardyが移動する台の上にビデオ会議の機能をつけたテレプレゼンスロボットの研究を早速始めました。
McHardyは、トライアルとしてまず、ラジコンのトラックに、タブレットPCと、インターフェースとしてのUSB、近接センサー、Webカメラをつけてみたところ、うまくいったので、今のIvanAnywhereの形のものの製作に着手しました。
このロボットは当初全て標準的な部品を使ってスタートしましたが、多少のカスタマイズもしています。50ポンド(約23キロ)のバッテリーを含めると、このロボットは75ポンド(約34キロ)もありますが、夜の間に充電することで10時間使用することができます。
2007年5月の完成以来、IvanAnywhereは毎日使われています。最初の数週間は、モーターコントローラのトラブルなど毎日何らかの故障がありましたが、それ以降は1週間に1回程度誰かの助けを借りることがあるだけで、問題なく動いています。誰かに少し助けてもらうだけで、エレベータにのって建物の別のフロアに移動することもできます。
IvanAnywhere は、バッテリー、運転、カメラのパン、チルトの使用状況や近接センサーがIvanAnywhereの動きを遅くさせる場合などをモニタリングするために、SQL Anywhere を使用しています。
将来的には、ホワイトボードやプロジェクタースクリーンの画面を高画質でとるためのデジタルカメラの機能を盛り込んだり、途中で充電できるようバッテリーのドライブイン型充電基地をつくる予定です。
ロボットが移動してくれるおかげで、過去使用していた他のコミュニケーションツールで不十分だった点が補え、ウィークリーの進捗確認ミーティングでは、可動式のカメラが会議に参加しているメンバーが何にどう注目しているのかを効果的にとらえてわかるようになりました。参加者がどう感じているのかをみることができるので、以前より容易に意見を述べるタイミングをはかったり、ディスカッションの流れをつかむことができるようになりました。
さらには、双方向TV会議が可能になったので、Bowmanが皆を見れると同時に、他の参加者もBowmanを見ることができるようになり、相手が忙しくなさそうなときを見計らって、共同で進めている作業の進捗について、尋ねたり、伝えたりすることを思い出したりするのにも役立っています。
以前Bowmanが使用していた固定式のWebカメラでは、Bowmanから離れたところで会話が始まるとフラストレーションがたまりましたが、今では、IvanAnywhereを移動させて、その会話に入ることができるわけです。
また、移動式なので、会話を始める前に、同僚が会話ができる状態にあるのかどうかチェックすることができ、インスタントメッセージのプレゼンスインディケータを使用しないにコンタクトすることもできます。
そして一番重要なのが、このロボットのおかげで、オフィスで交わされる日常のささいな会話にも参加することができるようになったことです。キッチンなどのオフィスの建物の様々なエリアに移動できるので、iAnywhereの様々なチームとの関係を保つのに非常に役立っています。
「IvanAnywhere のプロジェクトは、想像以上にスムーズに進みました。普通に手に入る部品を集めて作られていて、本当に驚きです。プロジェクトスタート時には、どう受け止められるのか不安がありましたが、幸いにも全く心配することはなく、結果に非常に満足しています。」
IvanAnywhereとは?
IvanAnywhere は、iAnywhere Solutions, Inc.のカナダのウォータールー R&Dセンター(現 SAP Labs Canada Waterloo ) で働いていたIvan Bowmanが、家庭の事情のためのために遠距離で仕事をせざるをえなくなり、彼がこれまで同様働けるよう検討された結果作られたテレプレゼンスロボットです。このロボットにはSQL Anywhere を搭載し、バッテリー、運転、カメラのパン、傾きなどの情報をモニタリングしています。
チームの進捗確認ミーティングに参加してミーティング参加者の注目度を知ることもできるし、会話を始める前に相手がどういう状況なのかをチェックすることもできます。さらに、この動くIvanAnywhereのおかげで、何気ない日常会話ができるので、チームの一員として今まで同様良い関係を保つことができ、ウォータールーのオフィスでコミュニケーションをとるのにとても役立っています。
IvanAnywhere in YouTube (英語)
- テレプレゼンスロボットIvanAnywhere (IvanAnywhere紹介)仕事の合間にちょっと一息…
- Episode 1 – 2008: A Sybase Odyssey (映画のパロディです)
- Episode 2 – IvanAnywhere Gets a Puppy
- Episode 3 – IvanAnywhere meets Ivan
- Episode 4 – IvanAnywheres Performance Review (出演協力:上司Glenn Paulley – クエリ・オプティマイザ開発他責任者)
IvanAnywhereがこれまで掲載されたメディア
ラジオ
- CBC ラジオ: CBCラジオのパーソナリティ Nora YoungとプロデューサーElizabeth Bowieによる、Ivan Bowman、Ian McHardy、Glenn Paulley の3名のインタビュー
オンライン/雑誌/新聞 他
- 2007年9月: “The worker you have to plug in.” by Matt Walcoff, Guardian Unlimited
- 2007年9月: “Meet IvanAnywhere.” by Matt Walcoff, The Record.
- 2007年9月: “Ivan the mobile.” Davene Jeffrey, The Chronicle Herald.
- 2007年10月: “The new employee; via digital commute.” Design Engineering
- 2008年1月: “Robot Replacement.” YES Mag.
- 2008年5月: “Send your Robot to Work.” by Chris Gaylord, The Christian Science Monitor
- 2008年9月: “Toby Orr on Superman’s Doomsday | Ivan Anywhere, the robot telecommuter” Space TV
リンク