イベント・ハンドラを使用した効果的なバックアップ方式の実装
本書では、イベントを使用して効果的なバックアップ方式を実装、すなわち自動化する方法について説明します。
効果的なバックアップ/リカバリ方式は、データベース・システムにおいて極めて重要な要素ですが、見過ごされることの多い要素でもあります。イベントを使用するとプロセスを自動化できるため、万一システム障害が発生しても、リカバリに使用できる便利なバックアップを保持することができます。本書は、イベントの使用要件、バックアップ要件のサンプル事例、およびそのバックアップ要件を満たすイベントの作成手順について記載しています。
イベント作成のための要件
・ Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7.0.x 以降を使用する必要があります。
・ データベースはAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7.0.x データベースでなければなりません。旧バージョンのデータベースを使用してAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7.0.x エンジンでイベントを作成しても要件を満たしません。データベースはAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7.0.x で作成する必要があります。また、旧バージョンのAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) やSQL Anywhere ですでにデータベースが作成されている場合、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7.0.xのレベルにそのデータベースをアップグレードする必要があります。
・ Sybase Central イベント・ウィザードを使用してイベントを作成する場合は、作成の際に直接SQL 文を発行するのではなく、Sybase Central 4.0.x を使用する必要があります。
非レプリケート・データベース上でWin NT 4 service pack 5 とAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7.0.1.918 を使用して、このチュートリアルの説明を行います。レプリケート・データベースをバックアップする場合には、ここで説明する手順とは異なるバックアップ手順を使用できる可能性があります。
以下に、イベントを使用して遂行するバックアップ要件の例を記します。
・ 自身のasademoj.db 用に効果的なバックアップ方式を策定する
・ 日曜日ごとにフル・バックアップ(データベースとトランザクション・ログ)を実行する
・ 日曜日(フル・バックアップを実行)を除く週6 日間、インクリメンタル・バックアップ(トランザクション・ログのみ)を実行する
・ 日々のバックアップは、データベースのアクティビティが最少または存在しない午後11:00 に行う