パーソナル・データベース・サーバと ネットワーク・データベース・サーバの相違点
本書では、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) データベースの 2 つのバージョンにおける相違点について説明します。
Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) データベースは、ディスク上のファイルに保持されます。Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) データベース・サーバは、データベースを管理するソフトウェアの構成要素です。データベース・サーバには 2 つのバージョンがあります。1 つはパーソナル・データベース・サーバ、もう 1 つはネットワーク・データベース・サーバです。両バージョンは共通のデータベース機能を共有しますが、提供するネットワーク機能は異なります。また、どちらのバージョンも、データベースでのデータ修正が他のデータベースの対応データに適用される Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) レプリケーション・システムに関与できます。注目すべき点は、パーソナル・サーバ用に開発されたアプリケーションはネットワーク・サーバでも同じように動作するため、パーソナル・サーバが開発環境にとって理想的であるということです。
この 2 つのサーバでは、要求処理エンジンは同じです。つまり、それぞれの要求処理エンジンは、まったく同じ SQL と、まったく同じデータベース機能をサポートします。
パーソナル・データベース・サーバ
パーソナル・サーバは、シングルユーザが同一マシンを使用するために用意されています。パーソナル・サーバは、ユーザのコンピュータでバックグラウンド・タスクとして動作し、最大 10 の同時接続をサポートします。また、次の図に示すように、同じマシン上のクライアント・アプリケーションから検索、更新、その他の操作に対する要求を受信できます。
パーソナル・データベース・サーバは、次の実行プログラムを使用して呼び出されます。
. ・Windows ベースのプラットフォーム (95/98/XP/Me/NT/2000): dbeng8.exe
. ・UNIX ベースのプラットフォーム: dbeng8
ネットワーク・データベース・サーバ
ネットワーク・サーバは複数ユーザでの使用を目的としており、ネットワークでのクライアント/サーバ通信をサポートします。次の図に示すように、ネットワーク・サーバは、ネットワークで検索、更新、その他の操作に対する要求をクライアント・アプリケーションから受信します。
クライアント・アプリケーションは、ネットワーク・サーバが常駐するマシン以外のマシンに常駐できます。ネットワーク・サーバに接続できるクライアントの数は、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) ライセンス* と、ネットワークおよびサーバ・マシンの空き容量によって決まります。クライアントがデータベース・サーバに接続されると、無制限のデータベース接続数がそのクライアントに許可されます。
ネットワーク・データベース・サーバは、次の実行プログラムを使用して呼び出されます。
・. Windows ベースのプラットフォーム (95/98/XP/Me/NT/2000/CE): dbsrv8.exe
注意:Windows CE の場合は、ネットワーク・サーバの TCP/IP サポートによって、デスクトップ・マシンから Windows CE デバイス上のタスク (データベース管理など) を実行できます。
.・UNIX ベースのプラットフォーム: dbsrv8
・Novell NetWare: dbsrv8.nlm
サーバの相違点
パーソナル・データベース・サーバとネットワーク・データベース・サーバは、同じ要求処理エンジンを備えています。この 2 つのサーバの相違点は、ネットワーキング、接続ライセンス、および設定オプションにあります。その要約を次に示します。
パーソナル・ サーバ | ネットワーク・サーバ | |
ネットワーク・プロトコルのサポート | サポートしない | サポートする |
接続の最大数 | 10 | ライセンス契約によって決定される |
CPU の最大数 | 2 | 無制限 |
-ga サーバ・オプション: 最後の切断後にデータベースをアンロード | 最後の切断後にデータベースがアンロードされ、サーバが停止される | 最後の切断後にデータベースがアンロードされる |
-gd サーバ・オプション: データベースを開始または停止するために必要なパーミッション | デフォルトで ALL に設定される | デフォルトで DBA に設定される |
-gk サーバ・オプション: DBSTOP ユーティリティを使用してデータベースを停止するために必要なパーミッション | デフォルトで ALL に設定される | デフォルトで DBA に設定される |
-gl サーバ・オプション: LOAD TABLE を使用してデータをロードする場合や UNLOAD TABLE または UNLOAD を使用してデータをアンロードする場合に必要なパーミッション | UNIX 以外のオペレーティング・システムの場合は ALL に設定されるUNIX オペレーティング・システムの場合は DBA に設定される | デフォルトで DBA に設定される |
-gn サーバ・オプション: データベース・サーバが一度に処理できる要求の数 | デフォルトで 10 | デフォルトで 20 |